呪術、呪術と私が言っているところの、本当のわかりやすい例をお伝えしたい。
呪術、と聞くと、それはあまりにもゴツくて「私とは関係ない」と思う人がやはり多いと思うので。
たとえば、A子さんとB子さんの話をします。
どちらも実在する人物として聞いてください。
A子さんのブロックは、人からとにかく取っていくことにある。
ギバー、テイカーという2つのカテゴリーがあった場合、完全なるテイカーのタイプの人。
人からそれによって疎んじられている、というよりも、警戒されて近づかないようにされていることに気づいていません。
だけども本人は、とにかく人生を良くしたくて仕方がない。
人間関係を良くしたいし、孤独になりたくないし、彼氏も欲しいし結婚したいし、何ならお金を稼いでもらって悠々自適に暮らしたい。
しかし、そのどれも叶っていない。
人間関係は、構築された端から壊れていきますし、好きな相手には延々と振り向かれない。
せっかく始めた夢に関する仕事や自己実現のためのあれやこれやも、基本的にうまくいかない。
その多くの原因は、ご本人がテイカーである、それに尽きる。
要するに、一緒にいると彼女に取られる感が半端なくて、ほとんどの人が嫌気がさして逃げて行く。
恋人もそうですし、友達も、仕事先の協力者も得られにくい。
でも、A子さんは人から取っていることにまったく気づいておらず、それが人生をダメにしている大きな原因ということも、もちろんわからない。
だからA子さんは、スピリチュアルを利用して人生を良くしようと考えたとき、ただエネルギーワークを受けるだけでなくて、それを提供してくれる先生のところに押しかけては、何時間も粘ってできるだけ多くエネルギーを得よう、得ようともする。
徹底的に他者から得ることが、人生を良くすることだと信じて疑わないA子さん。
さて、この話を聞いて、あなたは何を感じますか?
彼女は本当はどこに気がつき、どこを直せばいいのでしょう。
B子さんの話に入る前に、簡単にA子さんの問題について紐解くとするならば、A子さんが一番やめるべきなのは、
「人から取ろう、取ろう」
とする姿勢。
だとしたら、ヒーラーの先生のところに押しかけて何時間も粘り、通常1時間いくらのセッション料金を、同じ値段で2時間も3時間も受けようと考える精神性を変えなくてはならない。
なぜなら、いずれその人のいいヒーラーの先生も気づくだろうから。
取られまくっていることに。
そして、やはり彼女を煙たがり遠ざけるでしょう。
でも、A子さんは信じて疑わない。
少しでも得をして、少しでも先生からエネルギーを多く貰えば人生が良くなろうだろうということを。
A子さんがまず気づいてやめるべきなのは、先生のところで何時間も自分の話をし続ける、この行動であるのに。
なぜなら、先生のところでこれを無意識にし続けるA子さんの意識(エネルギー)は、別の場所でも同じように働き続けるでしょう。
このエネルギーを手放さなければ、人生が好転しようもないから。
これがつまり、その人を幸せにしない信念体系であると同時に、私がいうところの呪術なのです。
なぜなら、これまでもA子さんはたびたび人から注意されて来たはずです。
「図々しい」
「取りすぎ」
「そんなに人からやってもらうもんじゃない」
と。
はっきりこう言われないまでも、何かしらの出来事はあり、親切な人たちは良かれと思ってこのようなことを言うでしょう。
しかし、気づけない。
呪術にかかっているとは、まさにこのような状態のことを言います。
A子さんが真実の幸せを手に入れて行くためには、まず、テイカーである自分に気づくことから始まっていきます。
人から奪いすぎている自分、良くなりたいために必死に前のめりになりすぎている自分。
それは時々は、自己アピールが過ぎる人となるかもしれない。
自分の話しかしない人であるかもしれません。
それらはすべて、今の呪術にかかったままのA子さんにとっては人生を良くするために必要なことだと、A子さんの頭の中にはセットされてしまっている。
よもや、自分の話ばかりしすぎたり、人から何かを貰おうとしたりすることが、人生を立ちいかせなくする鍵だとは、全く思っていないのです。
では、B子さんはどうでしょうか。
B子さんはA子さんと真逆のタイプ。
ギバーとテイカーで言うならば、完全なるギバータイプの人です。
そして、取られていく、という発想はどこにもなくて、人に差し上げられる自分は何て素晴らしいのだろうと、そういう自分の資質を愛してもいます。
B子さんは、人に何かを依頼したり、何かをやってもらうことはあまり好きではありません。
申し訳ない気持ちがするから。
常に自分を律して我慢をさせ、さらには努力を欠かさない。
嫌なことがあっても愚痴を言ったり、誰かを頼ったりすることもありません。
そんなB子さんのブロックは、この「人に頼れないところ」であることを、B子さんは知りません。
さらには、人からサポートしてもらうことを嫌い、常に自分のことは自分でしようとしてしまい、他者の親切を受け取れないところにも大きな人生をうまくいかせない鍵があることに気づいていません。
自分のことは自分でやる、しっかりした自立的な自分を誇っています。
さて、B子さんのブロックとは、どこにポイントがあるのでしょうか。
それは、「受け取れないこと」。
以上です。
受け取れないことは、ブロックとなり得るのでしょうか。
もちろん、なり得ます。
たとえば、A子さんの方がわかりやすいブロックのように感じるかもしれません。
しかし、A子さんは他者から煙たがられることはあるにせよ、人からは貰えます。
エネルギーしかり、時間しかり、それ以外の何らかのものも、得られる。
これは、一元的なものの見方をすれば、ラッキーではあり、労せずして多くのものを得ている。
得はしています。
しかし、A子さんに比べてB子さんが得ているものはとても少ない。
しかも、B子さんはギバーですから、そのうえ人にどんどん、自分が持っているものまであげてしまう。
親切にしたり、時間を割いたり、無償奉仕が好きでたまらない。
ちなみにこれは、「徳積み」という考え方からは離れた、何を得て何を失っているか、という観点からの話なので、善い悪い、では聞かないでいてもらえたらと思います。
ただ、B子さんは他者に自分のエネルギーを漏らしまくっていることに気づけていない。
そして、人から貰わないように、貰わないように、慎重である自分にも気づいていません。
さらには、それによって自分が持っているエネルギーのほとんどを、無駄に他者に使われ、自分がそのエネルギー対価を自分に使えていないことに気づけない。
そして、そんな自分が好きです。
その、他者にも頼らず、人に親切にし、あげまくって、いつもガス欠をおこしているような自分の資質を誇ってもいる。
このとき、A子さんと同じようにB子さんも呪術にかけられているとしたら。
そして、思い込みは頭でっかちな自分の信念体系となり、そこにハマって人生がちっとも前に進まないことに気づけていないとしたら。
呪術を解除する以外に方法はありません。
ちなみに、A子さんもB子さんも、もし、この自分のし損ねるくせに気がついたとしても、呪術が根深くかかっている場合は行動を修正できません。
たとえB子さんが他人から
「人にやってあげすぎよ。もっと自分のことを考えなさい、自分のためにやりなさい」
と言われたとしても、そして自分もそうだと思ったとしても、人のためにしか働けない。
自分のためだけに働こうとすると、心が痛んだり、嫌な気持ちになり、結果、人と自分のことを両方やらないといけなくなる。
これが、呪術の結果なのです。
A子さんはもっとわかりやすくて、もし、自分のうまくいかせないくせに気づいていたとしても、人のために何かをやろうとすると、心が寒々しくなり、苦しくなり、悲しくなる。
人のためになんか、やってる時間はないのに!と忌々しくなる。
そして、人に取られるくらいなら誰とも関わるのはやめよう、別に一人でいいではないか、となってしまうことも大いにあり得ます。
ということで、ここで極端な例をお話ししたようですが、私はA子さん、B子さんどちらも知っています。
どちらも、気づいていなかった。
しかし、A子さんに至っては、気づき始めたとき、自然と私から離れていきましたし、B子さんはそんな自分の呪術を解除しようと奮闘中です。
なぜ、A子さんが私から離れて行ったのか。
それは、恐らく呪術が解除され始めたとき、これ以上、他者から何も取れない自分になりたくない、という潜在意識が働き始めたから。
要するに、みんな本当は変わりたくない。
これまで長いこと覚え込んできた自分のやり方が、間違っていたのだと理解を頭でし始めたとしても、そこに心がついていかないことは往々にしてあります。
潜在意識の中の自分はわがままでしかなく、独り立ちもしたくないし、良くなりたくもない。
これまでと同じ自分でいたがりますから。
ですから、どちらかというと、A子さんタイプのブロックを持っている人の方が直りにくいです。
目に見えるところでは、得しているようにしか思えないから。
B子さんタイプは、明らかに損をし続けて来た自分を目の当たりにするだけですから、自覚もしやすいし直しやすい。
そういうことです。
ですが、どちらも同じくらいの深さの呪術がかかっており、どちらも同じくらい厄介であり、どちらも同じくらい人生を進ませることの邪魔をします。
ですから。
結局は、目をつぶって呪術解除セッションを受け続けてくださいと、そういうほかはありません。
呪術が解除されないと気づけないことは、本当にたくさんあり過ぎるほどありますから。
ということで、今日はわかりやすい二つの例をとってお話をさせていただきました。
それでは、本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。